八段錦(はちだんきん)は心身に効いてきます!

続いて「八段錦(はちだんきん)」です。こちらは中国系のものとなりますが呼吸と動作を一致させていくのはこれも同じ、後はやはり意識の部分も大切となるわけですが、ここでは特に視線ですね、ここが決まっている人は思わず息をのむような近寄りがたい神聖な波動が出てたりしますね。

基本的に吸いながら1動作、吐きながら1動作という繰り返しで行っていきますが、全部で8つある運動は全てそれぞれ内臓や体、神経などに効果があると言われており、実際にやってみますと体が熱くなって来たり、気力が高まってきたりとその効果を体感できると思います。

実はこの八段錦、荒井式ではかなりゆっくりなスピードで行います。ですから呼吸が続かない初級の頃はけっこうきつく感じたりしますし、また馬歩(まほ)という独特の姿勢をとる運動もありますのでこのあたりでも苦労される人は多いですが、これらもできる様になればかなり体力も気力もつくと言う事になりますので、ぜひともしっかりと修練していただきたいなと思います。

左右開弓(さゆうかいきゅう)馬歩の姿勢ですね。

左右開弓(さゆうかいきゅう)。馬歩の姿勢ですね。

馬歩(まほ)に手こずるのは世界共通!?

今回のドイツのワークショップでも皆さん馬歩に手こずっておられましたが、馬歩というのは馬に乗った姿からきており、まるで馬にまたがった姿勢を自分の姿勢だけで支えなくてはならないので結構大変なところがあります。そしてさらに低い姿勢でしゃがみこんでいくと良い馬歩となりますが、この辺はバランス感覚、中心感覚、また、体の各関節や部位の柔軟性も高めていかなくては困難でありまして、というわけで導引体操なんかでしっかりと体を作っておく必要性があるのですね。

運動系は一見するとどうしても大きな筋肉に意識が向いてしまいがちですが、実はバランスや重心の方が大事でして、そこがしっかりしていく、またそのための筋肉を鍛えていく方がエネルギーのロスも少なく、効果は強いのですね。そしてまたそういう考え方をした方が「生き方」としても正しく、健康や人間関係などにおいてもトラブルや衝突などは縁遠くなってくるものなのです。

そういう意味でも外見(筋肉)よりも中身(骨格、バランス、要点)の方からまずじっくりと組み立てていくことは大切なことであり、そういう事は時間もかかるし、見た目も地味ですが、結果的にはその方が楽と言う事になりますので、何事も焦らずに取り組んでいくようにしていきましょう。

「Next, horse riding style!(次は馬歩の姿勢です!)」というと、皆さん複雑な顔されますが、これもどこも皆、同じなんでしょうね(笑。